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梅雨明け巡行

み、みなさま、、、大丈夫ですか?
梅雨明けした途端襲ってきた、この猛暑!
あれだけの豪雨のあとに、いきなりお日様ギラギラ。。。
こんな極端な、「梅雨 → 真夏日」という変化って、毎年のことでしょうか?


それに、こんなにタイミングよく、梅雨が明けた年って、あったでしょうか?

何がかというと、、、


17日の山鉾巡行前日まで、続けて豪雨に見舞われたというのに、
まるでうまく合わせたかのように見事に梅雨が明け、
青空広がる晴天の下、無事に行われたのです。


梅雨にどっぷり浸かったままの山鉾巡行にならなくてよかったのですが、
「晴れる」ということは、気温がぐんぐん上がるってこと!
その上、土曜日とあって、人出がすごいことになるはず。。。

それでも、思い切って見に行って来ました!


撮影場所に選んだところは、見物客でごった返していて、
特に初めのうちは、カメラをしっかり構えることもできない状態だったのですが、
「下手な鉄砲も、数打ちゃ当たる。」ってことで、(実際当たってへんけど)
定まらない体勢でかなりたくさん撮りました。
申し訳ないけれど、その中から、きょうはいっぱい見ていただきますね。
(あまりにも多いので、途中で疲れたら、日を改めてどうぞ。。。)



地下鉄を降りて改札口を見た途端、まずびっくり~。
自動改札を、人がなかなか進めないのです。
それでも、なんとかうまく通り過ぎ(笑)、
慌てて地上に出て、目指すは、「新町通り御池」の辻回しが行われる地点!
そこから、それぞれの鉾が鉾町へ戻って行き、
長かった巡行が終わろうとするところです。


「辻回し」というのは、以前にも書いたと思いますが、
簡単に言うと、鉾を90度方向転換させることを言います。

でもこれが、決して簡単ではないのです。

鉾の車輪の下に青竹が敷かれ、竹の上に水をたっぷりと撒き、滑りやすくして、
「エンヤラヤー」という大きな掛け声と共に、豪快に鉾を回転させるという、
巡行中最大の見せ場です。
一度に90度回れるわけがなく、
大抵、3回ほど行われ、再びまっすぐ進んで行くのです。


地上に出た時点で、すでに東の方から「長刀鉾」が見えてきました。

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さすが土曜日!
人出は思っていたとおりです。

ここで長刀鉾を待たずに、とにかく西へ西へ歩きます。


ところが、思うことは皆同じ。
新町通りには、さらに人。人。人。。。。。

もみくちゃになり、すでに汗だくに。
「終わったら、温泉につかりたい。」って、後ろの人が嘆いておられました。

将棋倒しにならないか、ちょっと心配しているうちに、
目の前まで長刀鉾が進んで来ました。

すると、、、ここで長刀鉾が止まり、
今まで見たことのない光景が、、、、

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なんと、鉾の前方に、はしごのような階段が設置されたんです!
こんなの、初めて見ました。

そして、、、、

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「禿(かむろ」」を務めた二人の男の子が、下りて来ました。

周りの人が口々に、「お稚児さんは?」と。。。
私も、まだお稚児さんは下りてこないのかと思っていましたが、その時、、、


梅雨明け巡行_c0049950_19252057.jpg


肩車されて、ゆっくり下りてこられました!

左下の写真は、
肩車している男性が、お稚児さんを担いで、
観衆の方に向けているところです。

大役を終え、こうして下りてくるお稚児さん。
この時、さぞホッと安心されたことでしょう。


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お囃子は休憩中?
「あともう少し!」という安堵感と、
「もう一度辻回しがある。」という緊張感との両方が、
この鉾の中で、入り混じっているのかもしれません。


さて、このあといよいよ辻回しが始まったのですが、
この長刀鉾が回る時、人が多すぎて、
残念ながら、ちゃんと撮れませんでした。


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これは辻回しを終え、新町通りを下がって行くところです。

電線など、本来一緒に撮ると興醒めなものもしっかり写っていますが、
敢えて、こういう場面を撮りました。

ギシギシと鉾がきしむ音がして、鉾の上部は揺ら揺ら~~~~。
倒れないかと思うほどで、それがまたある種の迫力を感じさせ、
鉾町へ帰って行く鉾に、
「お疲れ様。そしてありがとう。」
という気持ちを抱かずにはいられませんでした。


次から次と前を通り過ぎる鉾と山。

さて、これは何でしょう?

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「菊水鉾」の鉾頭です。
16弁の菊花を形どっているそうですが、
数えてみたら、確かにっ!

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青空を突き抜けていくような勢いです。
これを撮っている頃から、
前で見ておられる人達が、見物を終えられ、退散されるので、
少しずつ、少しずつ、前へ進出していました。

「そろそろ行かないと、ランチの予約があるものね。」
などと言っておられたのは、おそらく遠方から来られた観光客の方だったんでしょうね。


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やがて見えてきたのは「鶏鉾」。

そこへ横に現れたのは、、、

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「白楽天山」です。
唐の詩人白楽天と、道林禅師の問答場面を表現しているとか・・・?
こうして、鉾と山が並び、時には追い抜かすところが見られるのは、
巡行が終点に近づいているからであって、
四条通や、河原町では絶対にあり得ません。
そういう意味でも、この地点は、なかなか見応えがあると言えるでしょう。


鶏鉾の辻回しを、かろうじてですが動画で撮ったので、
はっきり映ってないけれど、見て下さい。





次に控えているのは、月鉾かなぁ・・・?



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曳き方の半被にも、それぞれ個性がありますが、
この鶏鉾の半被は、背中の部分に「鶏」と書いてあって、
なんだか可愛いです。
頭にかぶっておられる笠も、綺麗な紅色で、目立っていました。


目立っていたと言えば、、、


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綾傘鉾の巡行は、やっぱり目立っていました。
可愛いお稚児さんに注目が集まって。。。
真ん中の写真のお稚児さん、笑っていますね。
疲れているに違いないのに、余裕です。

この綾傘鉾は、天保5年(1834)から巡行に参加した30年後、
禁門の変に続く兵火に遭い、鉾が消失し、
明治12年から5年間、徒歩囃子で巡行したものの、一旦途切れ、
昭和54年に復興したという、
紆余曲折を経てきたものだそうです。
右下の写真の、鬼面をかぶった棒振り囃子は、昔から壬生六斎が受け持っていて、
楽譜や記録が残っていたので、
それが復興に向けての大きな足がかりとなったそうです。

へぇ~~。
調べれば調べるほど、鉾それぞれに、奥の深い歴史を知ることができるんやなぁ。



そして、またまた一際目立っていたのが、これ!


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「蟷螂山」です。
ご存知の方も多いと思いますが、、、

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このカマキリ、動くんです!
といっても、下にある「再生ボタン」をクリックしても動きません(笑)
ごめんなさい。騙したみたいで。。。

でも、動くカマキリも見てもらいますよ!
またもや鮮明じゃないけれど、新町通りを左折したあと、下がって行くところをご覧下さい。





どなたかが、「カマキリは、大きな。。。。」って言っておられますが、
そのあとが聞き取れません。
わかった方がおられたら、是非教えて下さい。



その次に現れたのは「月鉾」です。


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屋根の上の人、熱中症にならないか心配。。。
この月鉾は、すべての山鉾の中で、最も重くて高いそうです。
懸装品も豪華だということで、
いつか、宵々山とかに行ったら、登ってみよう~♪

音頭取りのお二人の方が、扇を前に突き出し、鉾が進もうとするこの瞬間が好きです。

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あれ? 音頭取りの人が、交代されています。
もう少しで終わりやのに、なんでやろ~~?


さてさて、私が一番好きな、「船鉾」の登場です。


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他の鉾と、何か趣きが違うように思えるんです。
幼い頃から好きでした。
20歳の頃、母と買い物に出た時、ちょうど山鉾巡行に出くわし、
「船鉾が見たいし、ちょっと待って~~。」
と、しばらく河原町通りで、船鉾が来るのを待っていたことを覚えています。

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「どういうところが?」と聞かれても、どう説明すればいいかわからないけれど、
とにかく船鉾が好きなんです!


ところで、「休み鉾」となっている「大船鉾」を復興させようという動きがあるそうで、
来夏以降、鉾の再建のための支援を呼びかけられるらしいです。
いつか実現したら、是非見たいものです!


船鉾の辻回しを撮りました。
上のふたつの動画と同様、見難いけれど、ご覧下さい。





前の柱が邪魔で。。。
でもこれ以上前には行けませんでした。


大好きな船鉾も過ぎ去ったので、そろそろ帰ろうとしたところ、
こんな山が通り過ぎました。

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「橋弁慶山」です。
ちょっとわかりにくいけれど、
弁慶と牛若丸が、五条大橋で戦う様子を表しています。



それぞれの鉾町へ戻って行く山や鉾は、
この終点近いところでは、お互い追い越したり追い越されたりしているのですが、
気がついたら、「放下鉾」が、新町通りを下がっていました。

あれ? 船鉾よりも巡行順は先のはずが・・・?

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今まで見に来た時も、この後ろの「見送り」という部分に描かれたフクロウが、
すごく印象的でした。
「バグダッド」という、 皆川泰蔵作のロウケツ染めらしいです。



しばらくしたら、今度はこんな面白い山が。。。


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「浄妙山」です。
平家物語に描かれた宇治川の橋合戦で、三井寺の僧兵筒井浄妙と、一来(いちらい)法師の間で繰り広げられた奮戦ぶりをあらわしているらしいです。
それにしても、このアクロバットのような格好はすごいっ。



「まだあるの~?」と思われた方、すみません。
もう少し見て下さいね。

ここからは、鉾そのものでなく、ちょっと興味を持ったものを写した写真です。


上にも何枚か、鉾の屋根を載せましたが、
他にも撮ったので、まずは屋根の写真です。


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本当に怖くないんやろか~?って思ってしまいます。
特に辻回しの時なんて、どんな気持ちやろう?
しかし、この3人の屋根方さん、勇ましいですねぇ。
全然怖がってはらへんし、それに、この格好が決まってる!


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四条通り、河原町通り、御池通り、、、を通っている間は、道幅が広いけれど、
この新町通りは、普段は車が一方通行の狭い道。
屋根方さんが、電柱や電線をうまく足などで押して、進みます。
巡行がもう少しで終わり、、というところで、きっと緊張しはるやろなぁ。


次は、偶然面白い場面を撮った写真です。

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これ、菊水鉾なのですが、この方、一体何をしようと・・・・・?
う~~ん。わからん。。。


4年前の日記に、車輪の動きを動画で載せたのですが、
そこに映っていた「かぶらごて」を撮ったので、見て下さい。
(残念ながら、その動画は今見られません。。。涙)

梅雨明け巡行_c0049950_162178.jpg


曳き方の足元に、木を斜めに切ったものがあります。
これを「かぶらごて」と言い、車輪の下に入れることによって、
車輪は乗り上げた瞬間に横にスライドするようにして乗り越え、
前輪の向きを変えてやることで、鉾の進行方向を調整していくそうです。

いやぁ~~~、すごいですよね。
あまりニュースなどでは映し出されないけれど、
鉾が進んで行く中で、非常に重要な「道具」が活躍しているってことが!


そして、これが最後の写真です。

といっても、鉾でもなく、車輪や屋根でもなく、、、、



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一生懸命撮っておられたカメラマン。
いやいや、この男性を主体に撮ったのではないんですよ。
樽があるでしょう?
あの中に、辻回しの時に青竹にぶっかけるお水が入っているんです。
消火栓のお水を使うので、
横に、消防隊員の方がおられるわけです。

鉾町の人だけでなく、様々な人達によって、
この大きなお祭が執り行われるんですね。



見終わってから思い出したことが。。。

話題になっていた山を、ちゃんと見ておくことを忘れていました。

それは「鯉山」です。

「鯉山を象徴する木彫りのコイが、発掘調査などで使われる放射性炭素年代測定の方法で分析した結果、1660年ごろのヒノキを使っている可能性が高いことがこのほど判明した。」

と、新聞に載っていたんです。

1660年、、、、350年も前?!

そしてその木彫りのコイは、江戸時代の名工とされる左甚五郎の作と言われているそうです。
ただ、、その左甚五郎って人は、理想化された人物で、実在を疑問視されていたり、
あるいは、1660年までには亡くなっていたとの説もあるようで。。。
鯉山保存会理事長は「いろいろな見方ができて面白いのではないか。」
と言っておられるらしいです。

あぁ~~、木彫りのコイを、ちゃんと見ておくべきだった!




非常~~~に長い日記を見ていただき、ありがとうございました。

「もっと近くで、辻回しを取りたかった。」というのが、本音です。
そんな私に、心強いアドバイスが。。。

見終わってから合流した亜樹さんが、
すごくいい撮影ポイントを教えてくださったのです。

来年も見に行けたら、「あそこ」から撮ろ~っと!



当初、「暑いから見に行くの、どうしよう?」って迷ってましたが、
実際見に行くと、やはり感動するし、
関わられた方々の苦労を感じたり、巡行中見られる動作の数々にすごく感激するので、
やっぱり、祇園祭は最高です!
行ってよかったです!





梅雨明け巡行_c0049950_23195876.jpg
                (2009年7月18撮影)

「おかっしゃん。暑い中見に行ったこと、ワタシからも褒めてあげるワン。
テレビで中継されるほどの、大きなお祭やから、
生で見に行ける地元の人は、どんどん行くべきやワン。
ワタシも一回見たかったけれど、
わんこはやっぱり無理やろワン?」

サイちゃん、今年は頑張って見に行って来たで。
もし、あんたがまだ生きてくれていたら、
あんたを置いて見に行くなんてこと、せえへんかったわ。
あのたくさんの人の中、もちろんわんこを連れて行くことは無理やけど、
もし見たいと思ったら、
来年、おかあさんに付いておいで~。











サイが眠ってから、昨日でちょうど半年経ちました。
早かったような、遅かったような。。。

最近のサイに対する想い、
次回の日記に書きます。

by sai-n.1020 | 2010-07-19 23:30 | 風景

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